今週のポイント

・ドル円は先週159円台半ばまで上昇し、4月30日の介入水準を上抜け。160円が目前に迫る展開。
・今週最大の焦点は6月5日(金)の米雇用統計と、6月3日(水)の植田日銀総裁講演の2大イベント。
・予想レンジは157.50〜160.50円。「日銀利上げvs米高金利維持」の綱引きが方向性を決める。

何が起きたか(先週の振り返り)

先週のドル円は、4月30日の政府・日銀の介入水準とされる159.58円前後まで上昇し、約4週間ぶりの高値を更新した。米国とイランの和平をめぐる情報が錯綜するなか、ホワイトハウスが和平草案報道を否定したことでドル買いが再加速。原油の大幅安でも円買いは限定的で、海外勢による緩やかな円売りが続いた。

なぜ動いたか

最大の要因は、中東情勢の不透明感が続く中での「円売りトレンドの根強さ」だ。為替オプション市場の1週間物インプライドボラティリティは約4年半ぶりの低水準まで低下しており、市場は政府・日銀の介入リスクを限定的とみている。日銀の奥野企画局長は「雇用・所得環境は緩やかに改善」と述べるにとどまり、追加利上げへの決定打に欠けた。一方、米FRBはウォーシュ新議長体制のもと、インフレ抑制優先の姿勢を崩しておらず、カシュカリ・ミネアポリス連銀総裁も「最優先事項はインフレ抑制」と発言。日米の金利差が依然としてドル買い・円売りの構造的な下支えとなっている。

チャートで確認

注目レベル

  • サポート:158.00円(厚い買い注文帯)/157.50円(26週移動平均線)
  • レジスタンス:159.60円(先週高値・介入警戒ライン)/160.00〜160.74円(介入・年初来高値)

今後どう見るか(来週シナリオ)

📈 上昇シナリオ(〜160.50円方向): 6月5日の米雇用統計で非農業部門雇用者数が市場予想(+9.3万人)を上回り、FRBの年内利上げ観測が一段と強まる場合、160円を突破し年初来高値160.74円方向へ。植田総裁が3日の講演で利上げに慎重な姿勢を示した場合にも円売り圧力が増す。

📉 下落シナリオ(〜157.50円方向): 植田総裁が6月16日の利上げを強く示唆する発言をした場合、円高が急進し158円割れ。さらに米雇用統計が前回(+11.5万人)を下回る弱い結果となり、FRB利下げ期待が再燃すれば157.50円付近の26週線まで調整する展開も。また160円接近時に政府・日銀が為替介入に踏み切るリスクも引き続き排除できない。

来週の注目イベント一覧(日本時間)

日付時刻イベント注目度
6/2(月)23:00米5月ISM製造業景況指数★★
6/3(火)未定植田日銀総裁・講演★★★
6/4(水)21:15米5月ADP雇用者数★★
6/4(水)23:00米5月ISM非製造業景況指数★★
6/5(木)08:30日本4月実質賃金★★
6/5(木)21:30米5月雇用統計(NFP・失業率)★★★

まとめ

来週のドル円は「植田発言が円高火種になるか、雇用統計がドル高を後押しするか」の2択勝負。どちらの結果も160円という介入警戒ラインを意識しながら、157〜160円レンジ内での神経質な展開が続きそうだ。


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