USD/JPY 159円台の攻防──円安継続の背景と今後のシナリオを解説
今日のポイント
・ドル円は2026年5月28日時点で159.57円付近で推移。直近1週間は158.85〜159.59円のレンジで方向感に欠ける展開。 Wise
・ 日本の4月コアインフレ率が3月の1.8%から1.4%へ鈍化し、4年ぶりの低水準となったことで、日銀の近い将来の利上げへの圧力が低下。 TRADING ECONOMICS
・1ドル=160円に近づくと通貨当局による円買い介入への警戒が高まり、上値が抑えられる一進一退の状態が続いている。 Nikkei
何が起きたか
ドル円は2026年1月末に152円台前半まで調整した後、再び円安方向に転換。4月末から5月初めにかけて160円近辺で推移し、東京当局の介入を引き起こしたとされる。現在は159円台後半で膠着しており、今年1月安値からの円安幅は約7円超に達している。
なぜ動いたか
円安の根本要因は日米金融政策の方向性の差にある。日本のコアインフレが3か月連続で日銀の目標2%を下回り、日銀が政策引き締めを急がないとの見方が広がっている。一方、米国ではインフレ懸念を背景にFRBの高金利維持観測が根強く、日米の金利差が縮小しない。 TRADING ECONOMICS
加えてイラン情勢を背景とした有事のドル買いが再燃していること、ホルムズ海峡をめぐる原油高が世界的な金利上昇圧力を招く中でも日本の長期金利の上昇が他国比で抑制的であることも、円売り・ドル買いを後押しする構図となっている。消費税減税に向けた議論など財政拡張シナリオも、日本国債・円相場の不安定化リスクとして意識されている。 IGNomura
チャートで確認
TradingViewの USD/JPY 日足チャートをご確認ください。 → https://www.tradingview.com/chart/?symbol=USDJPY
直近の注目レベル:158.85(直近安値)/159.59(直近高値)/160.74(年初来高値・介入警戒ライン)
今後どう見るか
上昇シナリオ(円安): 日銀が年内利上げを見送り、米金利が高止まりを続ける場合、心理的節目の160.00円のトライが焦点となる。ただし短期間での急上昇は介入リスクを高めるため、急反落への警戒も必要。原油高・イラン情勢悪化が重なれば160円台後半も視野に入る。 IG
下落シナリオ(円高): 日銀の決定会合後の情報発信次第では、円安急進の可能性がある一方、日本政府は介入に関して臨戦態勢をとっており、一気に円高が進む波乱シナリオも否定できない。158円を割り込むと155〜156円方向へ。年末にかけて1ドル=156円前後への若干の円高を見込むアナリストもいる。
まとめ
「日銀の利上げ見送り+日米金利差の高止まり」が円安の基本構図だが、160円では介入リスクが壁となる展開。当面は158〜160円のボックスレンジを意識しながら、日銀の発言・米インフレ指標・中東情勢の3点を注視したい。